1: 名無しさん 24/05/08(水) 21:23:05 ID:ILOb
天正四五二年 皐月捌日
『老師』石川の誉ならず、本願寺一行の勝利すら消し飛ばされた先刻の屈辱。『砲手』筒香の復活たる号砲に消し飛ばされた『十刃』"江洲破打"は散り散りになり、消えた。
本来第九戦線の重責を担うはずだった『毬藻男』田口復活の報も流れるが、然し男は現れず。最早是迄と流した涙が雨になるほど、彼の地には希望すら無いように思われた。
だが、だがである。次なる合戦に備え北条軍は先鋒を石田と報せた。此れに本願寺一行、炎が如く燃え上がる。
此の男、煮えきらぬ態度を見せるも本願寺の教えを拒否し、北条に舞戻ったのである。許すわけには行かない。理不尽な迄の怒りが『疾馬』塩見をも蘇らせた。
第一戦線、燃え上がる怒りが石田へ襲いかかる。次々に陣へと襲いかかり、あれよあれよと本陣を三度陥れる。
更には第六戦線、虎の威を借り逃げ出した石田に一行は逃げるなと一喝、此れには父の叱咤を思い出した若侍度会も恐怖の余り刀が手につかず虎を見殺し。
第八戦線に至っては嘗ての黒田軍守護者を担った『城門女王』森を『柱の男』"参多那"が爆散。本願寺一行は此れにて優勢を握るに至った。
2: 名無しさん 24/05/08(水) 21:23:17 ID:ILOb
一方番頭を狙う『貢献者』吉村だったが、攻撃陣の炎と降りしきる雨にて調子を崩されとんと調子が出ない。珍しく其の照準を安定できぬまま第五戦線にて退却。
然し手傷を負いながら一度たりとも膝を屈さず。二度と屈辱の姿は見せじと踏ん張る姿はまさに番頭の象徴であった。
第九戦線、制武の付かぬ状況ではあるが和尚が立ちはだかる。惨事は忘れた。後ろを向いていては、説法はできぬのだ。
故に挑む。必ずや此の勝利を以て、暗闇より本願寺を救い出さん。石山本願寺、勝利まで残るは首三つである。