―――第五章―――「雨の中の猛虎」
 
五章-1




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 セ界3列強の地位を守るべく壮絶な戦いを続けていたベイ軍。その調査に集中していた研究者たちは、天候の変化に気づかないでいた。
五章-1



 日暮れと同時に、昼間の晴天が嘘のような豪雨と強風が街を洗っていたのだ。




 いつの間にか106歳の老婆は濡れそぼった愛犬を部屋へと連れ込み、身体を優しく拭いている。
五章-2





 窓から外の様子を眺めた研究者の一人が、庭がまるで泥沼のようだと思わずこぼした。




 すると、老婆は彼に語り掛けた。
「あの日は、こんなものではありませんでした。」
五章-3




no title 6375
セ界大戦日誌
Saturday October 14,2017
戦いは、新たなステージへ。

長く続いたセ界大戦は、広島赤鯉軍の勝利で幕を閉じた…かに思われた。

我らがベイ軍は広島赤鯉軍のもとでの新秩序に猛然と反旗を翻し、怒濤の進撃を開始した。
進撃の途上、コーシェン要塞に差し掛かる。なんとこの地でも、ティーガー軍団が広島赤鯉軍に挑むべく兵備を整えていた。

「ウフフ…来たわね」
まるでベイ軍の登場を予期していたかのように不敵に笑う金本総統。
広島赤鯉軍に挑むのはどちらか。ベイ軍とティーガー軍団の決戦が始まった。

ティーガー軍団の先発隊は「死の配達人(メッセンジャー)」ことランディ中将だ。
これに挑むのは井納宇宙艦隊である。
大空を圧して進む大艦隊が、コーシェン要塞に巨大な影を落とす。

異様な雰囲気で始まった戦闘は、息詰まる接戦となる。
井納司令とランディ中将による、両軍の執念をのせた砲撃戦が戦場を制していた。
今や遅しと出撃の命を待つパットン戦車団。
準備万端整った。大地を揺るがす砲声は、我らの時代の訪れを告げる号砲だ。

http://oekaki-navi.blog.jp/archives/1068266225.html


no title 6271

Sunday October 15,2017
確率の壁を超えて


無理だ。

そんな乾いた声が飛び交うヨコハマ・ベース。

昨日苦い敗戦を覚えたベイ軍。
序盤いい勝負だったティーガー軍団とベイ軍だったが、
そんな中「幸運の使者」こと福留大尉が放った一発が戦車隊を直撃。
パットン戦車団の活躍も虚しく劣勢は立て直せず、ベイ軍一行はヨコハマ・ベイに緊急退避したのであった。

そんな中ラミレス総司令官はメモを見つつ大きめの溜息をついた。それもそのはず、これまで一戦目で優勢なチームは95%の確率で勝つ
という恐ろしいデータがあり、チームには暗雲が立ち込めていた。

しかし残り5%は捨てきれない。その思いで明日に向けて準備するベイ軍。今永中尉が準備する中、天気予報では雨が伝えられていた。

翌日、予想どうりコーシェン要塞付近は悪天候で視界不良。相手は95%の勝率に浮かれている様子で今日も常勝ムードでいる。
相手は新入りの秋山少尉。
今永少将はなんとか侵略戦を成功させようと想いを込めていた。

侵略戦はベイ軍優勢に進む。
中継ぎ中隊が新型ミサイル「Big Forest」に苦戦し、雨で追尾ミサイルが追尾しない事態もあり
一進一退の攻防の中の第7戦線。
緊急配備の乙坂中尉が放った一発はティーガー軍団を直撃し、一気に優勢ムードに進む。
ベイ軍も猛攻を重ね、少し軍団に活気が出始めていた。

そんな中の第8戦線、ついにパットン将軍に呼び声がかかる。
今日は久しぶりにゆっくりして出陣できそうだ。
さあ出陣だ。
確率の壁を今、破壊せよ…。

http://oekaki-navi.blog.jp/archives/1068284711.html


セ界大戦日誌
Sunday October 15,2017
敗れたものが去る。戦場の冷酷な現実が突きつけられる。

縦横無尽に戦場を蹂躙するランディ師団の前に、幾つもの屍を重ねた。
頼みの井納艦隊も、糸井宇宙軍に率いられたカッパの大群に襲われ、憐れ爆発四散した。

ほぼ一年に及んだ戦闘でベイ軍将兵は疲労困憊し、もし今日敗れることがあれば、ベイ軍は無条件降伏を余儀なくされる。

背水の一戦は、一時は戦闘が雨天中止になる恐れもあった。
しかし執念が神風を呼んだか。予定より1時間遅れて戦闘開始の号砲は鳴った。
ベイ軍の先発隊は今永少佐。対するティーガー軍団は秋山少将が起用される。

戦闘序盤、筒号戦車・宮崎豆戦車が進撃!戦車部隊による電撃戦を開始する。しかし軍用犬の柴犬は必死に走っても戦車には追いつけず、連携が取れないベイ軍は千載一遇の好機を逸する。
その直後、ティーガー軍団は一気呵成の反撃。2人の兵士の司令部突入を許してしまう。
しかしベイ軍もこれに応酬!ぬかるんだ地形を味方につけたゲリラ少女のクララちゃんが出撃すると、桑原突撃隊の放った砲弾は戦艦大和の装甲を貫通!一挙に好機が到来する。
これに呼応したロペス中将の砲弾は水しぶきをあげてコーシェン要塞に弾む!ベイ軍は戦況を均衡状態に戻した。
だが敵の新兵にして金本総統親衛隊の一人、大山軍曹が上流階級にふさわしい品のある砲撃を放つと、戦況は悪化。
今永少佐は撤退を余儀なくされた。
敗れたものが去る。戦場の冷酷な現実が突きつけられる。

縦横無尽に戦場を蹂躙するランディ師団の前に、幾つもの屍を重ねた。
頼みの井納艦隊も、糸井宇宙軍に率いられたカッパの大群に襲われ、憐れ爆発四散した。

ほぼ一年に及んだ戦闘でベイ軍将兵は疲労困憊し、もし今日敗れることがあれば、ベイ軍は無条件降伏を余儀なくされる。

背水の一戦は、一時は戦闘が雨天中止になる恐れもあった。
しかし執念が神風を呼んだか。予定より1時間遅れて戦闘開始の号砲は鳴った。
ベイ軍の先発隊は今永少佐。対するティーガー軍団は秋山少将が起用される。

戦闘序盤、筒号戦車・宮崎豆戦車が進撃!戦車部隊による電撃戦を開始する。しかし軍用犬の柴犬は必死に走っても戦車には追いつけず、連携が取れないベイ軍は千載一遇の好機を逸する。
その直後、ティーガー軍団は一気呵成の反撃。2人の兵士の司令部突入を許してしまう。
しかしベイ軍もこれに応酬!ぬかるんだ地形を味方につけたゲリラ少女のクララちゃんが出撃すると、桑原突撃隊の放った砲弾は戦艦大和の装甲を貫通!一挙に好機が到来する。
これに呼応したロペス中将の砲弾は水しぶきをあげてコーシェン要塞に弾む!ベイ軍は戦況を均衡状態に戻した。
だが敵の新兵にして金本総統親衛隊の一人、大山軍曹が上流階級にふさわしい品のある砲撃を放つと、戦況は悪化。
今永少佐は撤退を余儀なくされた。

降りしきる雨の中、いつ停戦命令が下ってもおかしくない状況で、焦りの色が浮かぶベイ軍。
第5戦線には積極果敢の攻撃を行う。ロペス中将の迫撃砲が戦況を振り出しに戻す!
続いて筒号戦車が進撃!
敵の砲弾を回避した際に転倒し泥まみれになるハプニングもありながら、宮崎豆戦車とともに進撃し、戦況をついに有利に持ち込む!
勢いに乗るベイ軍はバーを開店し酒盛りに興じる!

しかし喜んでばかりもいられなかった。
前線に立った三上中将は、ぬかるみを意に介さず進撃するティーガー軍団に集中砲火を受け、戦況は均衡状態に持ち込まれた。
瀬戸際のベイ軍にとって、均衡状態の戦況は負けと同義である。
このままでは終われないベイ軍はかつての戦友、桑原中隊を猛攻!筒号戦車が今日3度目の砲撃に成功し、戦況は再びベイ軍有利となった。さらにニコラス中尉が抜擢されると、彼は破壊力抜群の砲撃を成功させる!
敵地を揺るがす大歓声は、ベイ国民の魂の叫びだ。

戦況はベイ軍有利のまま最終局面を迎える。

「負けられないわね。」
金本総統の目が光る。
聳え立つ六甲の山々から吹き降ろす風は突風となり、ティーガー軍団の兵士たちに命を吹き込む。

ベイ軍一丸となって、強敵に立ち向かう。
戦闘に立つのは、我らのパットン将軍である。



no title 6447

セ界大戦日誌
Tuesday October 17,2017
コーシェン要塞で勃発したティーガー軍団との戦闘はその規模を激しく拡大し、泥にまみれた田園地帯での戦闘となった。
2日目の戦闘はベイ軍の勝利に帰したものの、生憎の豪雨のために両軍ともににらみ合いの状況が続いた。
あくる今日、ベイ軍は天候の回復を待って再度進撃を開始した。

ウィーランド准将を先頭に進むベイ軍は、手始めに田園地帯で逃げ遅れていた農民に対して猛攻をかける。
たまらず逃げだした農民が金本総統のもとにベイ軍の奇襲攻撃を告げた。

「来たわね…」
金本総統の号令一下、猛然と反撃を開始するティーガー軍団。
岩石の名前を冠する「岩石四天王」を次々と繰り出し、鉄壁の防御を試みる。
しかし、準備万端、整然と進撃するベイ軍を前に苦戦を強いられる。頼みの戦艦大和はゲリラ少女のクララちゃんと軍用犬の柴犬の躍動によってその雄姿を海中に没した。
かたや勢いに乗るのはベイ軍。
岩石四天王の一人、岩崎大佐に対して猛烈な射撃を敢行する。戦況は一方的の感が漂い始める。

しかし手負いの猛虎は今なお鋭い牙を隠し、その目はぎらぎらと光っている。ティーガー軍団の一員であるカッパがウィーランド准将にとびかかると、たちまち出現した巨大な山がベイ軍の行く手を阻んだ。敵もまた必死なのだ。

戦闘は終盤に突入する。ウィーランド准将は弾薬を打ち尽くし、戦場を退いた。
代わって最前線に立つのは我らがパットン将軍だ。
かつては同盟国としてセ界大戦を戦ったティーガー軍団。
泥沼の死闘を演じるなかで、いつしか奇妙な友情が芽生え始めていた。
共に掲げるは、打倒・広島赤鯉軍。

虎に止めを刺し、その魂を供として、西へ向かおう。

http://oekaki-navi.blog.jp/archives/1068319365.html



深い泥沼の中から救い出した勝利は、けして汚れることなく輝かしいものであった。
 ̄| 山 | 﨑 | パ | ン | ̄【CSfinal進出決定】


五章-4




セ界大戦を通じて、ティーガー軍団とは奇妙な縁があった。
一時はセ界の第二強の地位をめぐって死闘を繰り返したかと思えば、ベイ軍に追いすがる読売帝国に引導を渡したのも彼らティーガー軍団であった。




泥沼での死闘を終え、ベイ軍はいよいよ広島赤鯉軍との戦いに向かうこととなるのである。




なお、そんなティーガー軍団から、ヨコハマ・ベイに向けて一艘の軍艦が出航しつつあったことを、この時のベイ国民はまだ知らない。
五章-5




―――第六章―――「王者への挑戦」へ続く・・・




( #)・`ω(:;´)
朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク 朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑々帝国臣民ノ康寧ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遣範ニシテ朕ノ拳々措カサル所 曩ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス
然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス 加之敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝国ノ受クヘキ困難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル 然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス 
朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム
宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克く朕カ意ヲ体セヨ


パットン戦車団セ界大戦日誌まとめ
ナレーション:文豪ニキ書下ろし
絵:柴犬ニキ

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