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523: 名無しさん@おーぷん 2015/11/15(日)23:41:31 ID:QxM
 
───

遠藤「お前……」 ハァ…

(*^○^*)「?」

遠藤「また性懲りも無く借金作ったのか…」

(*^○^*)「大丈夫なんだ! すぐ返すんだ!」

遠藤「どうやって?」

(*^○^*)「ギャンブルで!」

遠藤「……」

(*^○^*)「だからまたギャンブル紹介して欲しいんだ!」

(*^○^*)「お願いお願いお願いお願ァい」

遠藤「……分かった。 車に乗れ」

(*^○^*)「わーい」


 ブロロロロ…

(*^○^*)「それで、どんなギャンブルなんだ?」

遠藤「……もう、お前にギャンブルは紹介しない」

(*^○^*)「えっ」

遠藤「ギャンブルの紹介は2回までだと決まってるんだ。 すまんな」

(*^○^*)「えっ、じゃあ僕は今からどうなるんだ?」

遠藤「おい」

部下「ハッ」 ガバッ

(*゙゚'○゙゚'*)「むぐぐぐ!?」 ジタバタ

遠藤「少しの間、眠ってもらうぞ」
 

524: 名無しさん@おーぷん 2015/11/15(日)23:41:52 ID:QxM
 
(*"○"*)「ぼ、ぼ、ぼくをどうする気なんだ……?」 フニャ…

遠藤「そうだな……売〇……」

(*"○"*)「ビクッ」 *キュッ

遠藤「…は、年齢制限があるんだ。 残念だがポイジくんは年齢オーバーだ」

(*"○"*)「ホッ」

遠藤「…が、そっちの方がマシだったかもしれないぞ」 ニヤ…

(*"○"*)「な……」 ググ…

遠藤「お前が今から行くところは……地獄だ」

遠藤「言葉通り、地の獄……ポイジ君の借金は一千万だから、約15年間入ってもらう計算だな」

(*"○"*)「ふ、ふざ、け……」

遠藤「ま、最後の地上の安眠だ。 ゆっくり貪れ」

(*"○"*)「お、おろすんだ……おろ…す…んだ……」

遠藤「……」

遠藤「おろさないんだ……!」

 ブロロロロロ…



 そしてポイジは送られた。
 
 ドドドドッ カーンカーンカーン!

 地の底……! 強制労働施設へ……!

   ガガガガガ! ズドドドド!

(;*^○^*)「ふぅふぅ……ふぅふぅ……」 ヨロヨロ

モブA「おい新入り! 早くこっちに運んで来い!」

(;*^○^*)「ひぃひぃ……」 ヨロヨロ…
 

528: 名無しさん@おーぷん 2015/11/15(日)23:49:54 ID:QxM
 
 重労働……!
 粉塵…熱気…汚水…悪臭…騒音……!
 この世で最も劣悪な労働環境っ……!

(;*゙○゙*)「ひぃ……ひぃ……」 ヨタヨタ

班長「終了っ! 作業終了っ! 食堂で夕飯を取れ!」

(*^○^*)「わーい! ごはん! ごはんなんだ!」

モブA「おい、まずはこっちでシャワーだ」

(*^○^*)「シャワー?」


 ジャババババ

(*゙○゙*)(ホースで水かけて……手の平一杯の石鹸水……歩きながら体洗い……) ジャバジャバ

(*^○^*)「で、でもこの後はごはん! ごはんなんだ!」


モブA「ムシャムシャ」

モブB「モグモグ」

(*゙○゙*)「パサパサのお魚一匹だけ…ごはんも変な匂い…お味噌汁も具なんかほとんど無いんだ…」

モブC「おい新入り、そんなメシでも食っとけ。 じゃないと体壊すぞ」

モブD「体を壊しても、薬も貰えねぇ。 病室送りになったら、そのまま死んじまうぞ」

:(*゙゚'○゙゚'*):
 

532: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:01:16 ID:Ohr
 
─── E班 23人 同居部屋

(*^○^*)「うぅ……くたびれたんだ……」 グデー

三好「あ…あなたも新入りの方ですか。 僕も入ったばかりで… 三好っていいます」 ペコリ

(*^○^*)「ぼくはポイジなんだ! よろしくなんだ!」

三好「ポイジさん、ですね。 よろしく」

三好(ニコニコしてていい人そうだな……)

(*^○^*)「こんなとこ早く出たいんだ…」

三好「そうですよね……。 僕は10年ここにいるってことになってます…」

三好「ここで勤め上げたら借金はチャラって話ですけど… でもそれって命で支払えってのと同じことですよね」

三好「何でも、5年も働いたら肺をやられて死んじゃうそうですよ…」 ブルッ

(*゚○゚*)「こんなとこいたくないんだ! ぼく帰る!」 ダッ

三好「あっ! どこ行くんですか!」

班長「お、おい! どこへ行く!」

石和「おい! 戻れ!」

(*゚○゚*)「出せー! ここから出すんだー!」 ガチャガチャ

石和「おい! 暴れるな!」 ガシッ

(*;○;*)「うー! うー!」 ジタバタ

班長「やれやれ……こういう騒動も久しぶりだな…」

沼川「最近は大人しい班員ばかりでしたからね…」

班長「あいつ……ポイジといったか。 要注意だな」
 
(*;○;*)「ピギャー!」 ジタバタ
 

537: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:08:25 ID:Ohr
 
……

三好「落ち着きましたか?」

(*^○^*)「うー…こんなとこ出てってやるんだ…」

三好「そんな、無理ですよ。 ここから出たって、地上への道も分かんないんですから」

(*^○^*)「……」

三好「どうしても地上に出たいなら、1日地上外出券を買わないと…」

(*^○^*)「1日地上外出券!?」

三好「あれですよ、あれ」

 『勤労奨励オプション 1日外出券 50万ペリカ』
 ※ペリカは地下の通貨単位。10ペリカ=1円

(*^○^*)「50万ペリカ……」

三好「ええと……1ヵ月の給料が9万1000ペリカですから…6か月貯めれば、50万に届きますね」

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(*^○^*)「半年ガマンすれば外に出れるんだ!」

三好「でも、1日外に出てもまた地下に戻っちゃいますよ」

(*^○^*)「1日出れば十分なんだ。 ギャンブルで10億ぐらい稼いで借金なんかポポイのポイジなんだ」

三好「ポジティブだなぁ……」
 

538: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:08:52 ID:tJ1
原作では数ヶ月地下におったよな…
地上に出て横浜の順位確認して泣くやろなぁ

546: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:24:54 ID:Ohr
 
三好「にしても旨いっ! 旨すぎるっ…! 食事がずっとパサパサしたものだったから…!」

三好「脂身が舌に、喉に広がるっ……! 幸せぇ~っ!」 ムシャムシャ ガツガツ

(*^○^*)「ムシャムシャ! 焼き鳥おいしいんだ! ジューシーでしょっぱくて…!」 ムシャムシャ

(*^○^*)「ポテチも…口いっぱいに塩味が広がって……OC!」

(*^○^*)「そして喉が渇いた頃に……ビールをっ……」

(*^○^*)「グビッ!」 グビグビグビ…ごきゅ、ごきゅ、 グビッ ゴクゴクゴク…!

(*゚○。*)「ぷはァ~~~っ!」 トロ~ン



班長「ククク……」
 
沼川「あいつはもうおしまいですね…」 ククク

班長「この地下では食以外に楽しみは無い……一度味わってしまっては、もう抜け出すことは出来ん」

班長「あいつはこう考えるだろう…明日からがんばろう……明日から節制だと……!」

班長「だが、そんな考えまやかしだっ……!」

班長「今日をがんばった者……今日をがんばり始めた者にのみ……明日は来るんだよ……!」

(*゚Q。*) ウイ~

(*゚Q。*)(明後日からがんばるんだ)
 

557: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:37:06 ID:Ohr
 
── 次の日

モブA「おい! 早く運べよ!」

(*^○^*)「今やるんだ ちょっと待ってなんだ おしっこ行って来るんだ」

モブA「お前さっきも行っただろ!」

(*^○^*)「ひんにょーなんだ」

モブA(2日目からサボっている……!) ワナワナ


(*^○^*)「ビール2本と焼き鳥とサッポロポテトと」

沼川「……少し、買いすぎじゃないのか?」

石和「流石にもう少し節約した方が……」

(*^○^*)「そんなの欲望の解放の仕方がヘタッピなんだ。 せっかくだから豪遊するんだ」

沼川「……毎度」 スッ


(*^○^*) ムシャムシャガツガツバクバクモグモグバリバリガツガツ!!

(*^○^*) プシッ

(*^○^*) ゴキュゴキュゴキュゴキュ ゴクゴク グビグビグビ グイィ~~ッ

(*゚Q。*) トロ~ン



沼川「あいつ本当に旨そうに飲みますね……」

班長「ああ……しかし、このまま行けば奴の手持ちは早々に尽きるだろう」

石和「そうしたら……」 ニヤ

班長「ああ……カタにハメる……!」 ニタァ
 

563: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:54:09 ID:Ohr
 
─── 次の日

(*^○^*)「えーっと、今日はロング缶3本飲んじゃおっかなー あとー」

沼川「なあ、ポイジ君……俺の計算が正しければ、金が足りないんじゃ…」

(*^○^*)「だいじょーぶだいじょーぶ。 あとね、焼き鳥と」

沼川「いや大丈夫じゃなくって!」

(*^○^*)「まけてくれるからだいじょーぶ」

沼川「まけないよ!! 班長!!」

班長「うーむ……参ったな……」

班長「しかし、折角ポイジくんがストレス発散をして、明日からの労働への活力にしようとしてくれとるんだ…」

班長「ここでツッパねて売らないというのもォ、班長としては心苦しい……」

(*^○^*)「さすが班長わかってるんだ! それじゃ」 ヒョイヒョイ

班長「違うちがう! タダで持って行っていい訳じゃない!!」

(*^○^*)「えー」

班長「ポイジくん、特別に給料の前借りをさせてあげよう」

(*^○^*)「じゃー1年分…」

班長「1ヵ月だ!! まずは1ヵ月分!!」

班長「ただし……例えば、ポイジ君が明日体を壊したら…ワシはもう貸した分を回収することは出来なくなる」

班長「そうなれば、ワシの丸損だ…! だから、そのリスクの分を引かせてもらう」
 

564: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:55:41 ID:Ohr
 
班長「そうだな……渡せるのは6万ってとこだ。 勿論、ポイジ君からすれば不満があるだろうが、しかし」

(*^○^*)「貸すんだ! 早く貸すんだ!」

班長「っ……わ、分かった」

班長(どれだけアホなんだコイツは……) ゴソゴソ

班長「はい、6万だ」

(*^○^*)「わーい。 じゃあね、焼き鳥とさけるチーズとスルメと…」



(*゚Q。*) ドロ~ン



── 次の日

(*^○^*)「お金貸してー」

班長「待て、昨日貸したばっかりじゃ…」
 

565: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)00:55:51 ID:Ohr
 
(*^○^*)「使っちゃったんだ! 来々月の給料を借りるんだ!」

班長「……渡せるのは半分の4万5千だが、それでも良」

(*^○^*)「いいから! 貸すんだ!」 ワーワー

班長「……」 スッ

(*^○^*)「わーい」

(*^○^*)「えーとね、ビールとチューハイとしょーちゅーと」



(*゙○゙*) ンゴー ンゴー zzZZ



沼川「……」

石和「……」

班長「……」

沼川「……最短記録、ですね」

班長「……」


 ポイジ、史上最短記録で45組(前借りしすぎて給料が4万5千円の身分)に落ちる……!
 

571: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:08:33 ID:Ohr
 
─── 次の日

モブA「おーい、その工具取ってくれー」

(*^○^*)「どれなんだー?」

モブA「そのドライバーだよ! 分かるだろ!」

(*^○^*)「これ?」

モブA「それだよ!」

(*^○^*)「やーい欲しかったら取ってみろなんだ」 ダダダ

モブA「遊ぶなよ! ああもうっ!」 ダダダ


(*^○^*)「お金貸してー」

班長「ポイジくん……これ以上もう貸せんよ。 前借りは2か月分と決まっとるんだ」

(*゙゚'○゙゚'*)

(#*^○^*)「そんな! ヒドイんだ! 外道! 鬼! おかわり!」

班長「そ、そこまで言われる筋合いは無いぞ! 貸したのは善意…ワシの善意だ!」

(*^○^*)「アンタ、大した悪党じゃないか……!」

班長「まだ何もしとらんだろ!!」

(*;○;*)「ピギャー! ビール飲みたーい! 焼き鳥食べたーい!」 ジタバタ
 

572: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:08:39 ID:Ohr
 
三好「ポ、ポイジさん! 落ち着いて!」

(*^○^*)「あ! そうだ!三好くん! お金貸して!」

三好「えっ」

(*一○一*)「友達……だよね?」

三好「は、はい」

(*^○^*)「わーい」


  ガツガツムシャムシャ モグモグ ゴキュ…ゴキュ…


── 数日後

三好「うう……ポイジさんに貸してたら僕も45組に落ちてしまった……」

(*^○^*)「だいじょうぶ、自分を責めちゃダメなんだ」

三好「責めてないですよ!! 僕悪くないですよ!!」
 

586: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:25:38 ID:Ohr
 
三好「はあ……残りのお金……今日のチンチロで増やせるかなぁ」 ハァ…

(*^○^*)「あ、今日が噂のチンチロの日なんだ?」

三好「ええ、そうですよ。 って、ポイジさんチンチロのこと知ってたんですか?」

(*^○^*)「うん。 入って二日目に先輩に聞いたんだ」

三好「ああ、先輩が話してたのを聞いたんですか」

(*^○^*)「ううん。 先輩に『ここではどんなギャンブルが行われるんだ?』って聞いたんだ」

三好「えっ……どうして、ココでギャンブルが行われてることを……」

(*^○^*)「だって、ここで貰える給料と、商品の値段考えたら、明らかにおかしいんだ」

(*^○^*)「あんなのボッタクリにしたって、皆が納得できるはずないんだ。 流石に抗議…暴力事件が起きたっておかしくないんだ」

(*^○^*)「なのに皆が現状を飲み込んでる……これは、明らかに『財産を増やす方法』があるってことなんだ」

(*^○^*)「そして、それはギャンブルに違いないんだ。 きっと、搾取されてる側は『自分がギャンブルに負けたからしょうがない』、そう思い込んでるんだ」

(*^○^*)「だから、暴動も何も起きてないんだ。 家畜みたいな扱いされようが、搾取されようが、モーモー鳴いて働いてるんだ」

三好「なるほど……それで、ギャンブルが行われてることに気付いたんですね」
 

587: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:26:01 ID:Ohr
 
(*^○^*)「でも、部屋を見渡してもトランプや将棋はあるけど、どれもギャンブルには使えそうもないんだ」

(*^○^*)「カードも花札も汚れやキズがあって……あんなのガンし放題なんだ」

(*^○^*)「だから、きっと班長は別の何かを使ってやるはず……だから、先輩に聞いたんだ」

三好「なるほどー。 ポイジさんって結構鋭いとこあるんですね!」

沼川「それでは今夜の売店開店でーす。 チンチロに備えて皆でビールを買おうー」

三好「いやー、見直しちゃったなぁポイジさん。 あれ?ポイジさん?」 キョロキョロ


(*;○;*)「売ってー 1ペリカで売ってー」

沼川「ダメだダメだ! 帰れ!」

(*;○;*)「ピギャー!!! ビール!! 焼き鳥!! サッポロポテトバーベQ味!!」 ジタバタ

モブA「ああもううるせぇ!」

モブB「これじゃ俺たちが買えねぇ!」

モブC「もう誰か買ってやれよ!」

モブD「ああもう! 俺がオゴってやるからそこどけよ!!」

(*^○;*)「わーい」


三好「………」
 

594: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:51:19 ID:Ohr
 
 


班長「それでは、チンチロを始める……」

三好「…ゴク」

班長「三好くんは、初参加だったね?」

三好「は、はい」

(*^○^*) ジー

班長「ポイジは、金が無いから見学だな」

(*゙○゙*) シュン…

班長「では、初参加の者もいるので、ルール説明をする。」

班長「これだ」
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三好(ええ…)
 

596: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:51:34 ID:Ohr
 
班長「チンチロはまぁ、3つのサイコロを振って、目の強さで争う遊びだ」

班長「親は持ち回り制。 親に決まった物が振り、次に子が振って行き、勝負をする」

班長「といっても、親は大負けする可能性もある。 だから、親の役目をスルーすることもできる」

班長「それと、通常のチンチロは、親は勝ち続ける限り親をやり続けることができるが、ウチではそれを禁止している」

班長「ツイている奴が親をやり続けるとこう…皆が破産してしまうからねぇ」 ククク…

班長「だから、親をし続けることが出来るのは2回までだ」

班長「そして逆に、通常親は必ず2回やってもらう。 1回で終わるのは目無しのときと、ションベンの時だ」

班長「と、こういったところだ。 あとはやっていく内に覚えていってくれ」

三好「は、はい」

(*^○^*)「しつもんしつもーん」

班長「……何だ」

(*^○^*)「ションベンの時、目の扱いはどうなるんだ?」

班長「そりゃ、そん時は目無し扱いだ。 当たり前だろっ……」

(*^○^*)「へー」
 

598: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)01:54:11 ID:tiW
しょんべんって何ですか?(小声)

599: 2015/11/16(月)01:54:38 ID:pZQ
>>598
椀の中にサイコロが入らずに外にこぼれることや

609: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:04:04 ID:Ohr
 
 そして始まるっ…… 月二回のギャンブル…地下チンチロがっ……!

モブA「えいっ」 カランカランッ

モブB「おりゃっ」 コロンッ

三好「……」 サラサラ…

沼川「おい……何してるっ……!」

三好「あ、い、いえ…みんなの出目をメモしとこうと…」

沼川「よ、余計なことをするなっ…冷めるだろっ……」

班長「まあまあ、いいじゃないか」

三好「あ、ありがとうございます……!」 ペコ…

沼川「まあ…班長がいいなら……いいですけど…」

 カランッ

  コロコロ…


(*^○^*)「ねービールおかわり」

モブD「もうねえよっ……!」


三好「…」 パシッ

石和「おいおい、お前らそんな薄い張りでいいのかっ?」

石和「もっとドーンと来い! ドーンと……!」

モブB「……」

モブB「よ、よしっ! 勝負だっ!」 バシッ

モブB「貯めに貯めた……なけなしの10万っ……!」

石和「!」

班長「!」


(*^○^*)「……!」
 

614: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:39:56 ID:Ohr
 
モブB「上限は2万……で、でもっ…受けてもらえますか!」

石和「…」 チラ

班長「……」 コク

石和「いいだろうっ……受けよう!」

モブB「は、はい!」

モブB「頼むっ……」 グッ

 パッ
   カラン カラン カラン…


 2 - 2 - 5 !



石和「っ……」

モブB「や、やった…! 目は"5"! 結構強い! 強いぞ!」

石和「……」 パッ

 カランカラン…

 5-5-4  目は"4"!

石和「っ…ぐうぅっ……」

班長「……」

モブB「や、やった……! 石和さんに勝ったっ……!」

 ガサガサ…
 

615: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:40:31 ID:Ohr
 
モブB「10万っ…10万っ……へへっ」 ガサガサ ゴソゴソ

班長「いやぁ、すごいなB君、バカヅキじゃないか」

モブB「い、いやぁ……へへっ」

班長「その調子で親をやったら、こりゃ一晩で大儲けかもしれんなァ」

モブB「そ、そうですかね……」

 スッ

モブB「じゃ、じゃあ……次、親やります!」

班長「そうか……それじゃあ…」 チラ

石和「…」 コク

 スッ  スッ

モブB「っ!!」

 班長、石和が賭けたのは2万ペリカ……! つまり、計4万ペリカの勝負……!

 明らかに……潰しに来た……! モブBを、二人掛かりで……!

モブB「な、何で……」

石和「何でも何も無い…ただの、ルール通りの勝負だっ…」

班長「…いやぁ、なんかこう……勝てそうな気がするから賭けたんだよ。 それだけだ」

モブB「……」
 

616: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:41:32 ID:Ohr
 
モブB「い、いきます…」 カランコロン…

 1-1-6

モブB「や、やったぁ! 目は6だ! これは強いぞ!!」

石和「それじゃ、俺から…」 カランカラン…

 4-5-6  倍付けっ……! 2倍の勝ち……!

石和「よしっ!」

モブB「なっ……!?」

 これによって石和は4万の勝ち……!

班長「次は……ワシだな……」 スッ

 ズズズ…ズズ……

モブB「…っ」 ゾク…
 

617: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:42:04 ID:Ohr
 
班長「…なあ、モブB君……君の目……"6"は強い……確かに強い……」

班長「しかし、ワシは思うんだ……」 ギュゥゥ…

モブB「……」 ビク、ビク

班長「念……念が、サイの目を左右する……と!」

モブB「そ、そんなバカな……」

班長「カァッ!!」 パッ

 カランッ カランッ カランッ!

  カラ…カラ…


  コト…


モブB「……」

班長「……カカカ… いやぁ、ほんと…博打とは恐ろしいなぁ!」


  5-5-5っ……! 3倍付けっ……!

 これによって、班長は6万を得る……!

班長「カカカ……これで、さっき買った10万は……無くなってしまったのう…」

モブB「…」 ヘタッ…
 

618: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)02:42:21 ID:Ohr
 
モブB「う、嘘だ……」 ガク…

班長「おいおい、落ち込んでる場合じゃあないぞ」 ニコ…

モブB「え…」

班長「言っただろう……親は通常2回」

モブB「あ…」 ゾク

班長「さあ、もう一度やろうじゃないか」

 スッ スッ

 班長、石和……またも2万×2……4万張り……!


(*^○^*)「……」


 その後、今度は石和が3倍付け、班長が倍付けを出し、
 モブBは財産を失った。

 次の日、班長に給料の前借りを頼むモブBの姿があった。


(*^○^*)「……」

 ポイジは気付いた。

(*^○^*)(ここ、野球見れないんだ)
 

647: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)21:55:36 ID:GUH
 
(*^○^*)(早いとこ地上に出たいんだ) ゴロ…

三好「いやー、昨日の勝負は凄かったですね……やっぱり班長は凄い…」

三好「なんでしょう、勝負運っていうんですかね… ここぞという時に…あんな…」

(*^○^*)「ねえ、三好くん」

三好「はい?」

(*^○^*)「確か、出目をメモってたよね?」

三好「はあ…」

(*^○^*)「見せてー」

三好「はあ、いいですよ」 ゴソゴソ

三好「どうぞ」

(*^○^*)「ふむふむ…」 ペラ…

三好「すみません、鉛筆で走り書きなんで、見辛いですけど…」

(*^○^*)「ううん、十分十分…というより…」

三好「へ?」

(*^○^*)「……」 ジッ

(*^○^*)「強い。 班長、明らかに第一投が強いんだ」

三好「はあ……ですから、班長は凄いんですよ。 バカヅキっていうか、強運っていうか」

(*^○^*)「うん…これは相当に」

(*^○^*)「ツイてるんだ」


沼川「さあさあ、今日もキンキンに冷えたビールが入ってるよ」

「買った!」 「俺にも一本!」
 

648: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)21:56:38 ID:GUH
  
(*^○^*)「えーと、今日は…」

モブE「俺もビールを一本…」 グイ
 
モブE「ん? 何だ?」
 
(*^○^*)「ねーねー」

モブE「ん? 何だポイジか。 何の用だよ」

(*^○^*)「おごってー」

モブE「は!? ヤだよ! 何で俺がオゴらなきゃいけないんだよ!」

(*^○^*)「…モブA君とモブB君とC君とD君にはオゴってもらったんだ…」

モブA「…」 

モブB「…」

(*^○^*)「へー、E君だけオゴらない気なんだ。 皆貴重な身銭を切って僕にオゴったのに」

モブE「いや……え……?」

(*^○^*)「自分だけお金出さない気なんだ…自分ばっかり…自己中…」 ブツブツ

モブE「え、いや、そうじゃな……ん? 何かおかしいな? あれ?」

(*^○^*)「現場は連帯が大事なのに…自分ばっかり楽しようとして…モブE君はそんな奴…」 ブツブツ

モブC「…」

モブD「…」

モブE「いや、え。 ん? えっと……」

(*^○^*)「…」 ジー

モブE「……」

モブE「おごり、ます…」 ガク…



(*^○^*) ゴキュゴキュゴキュ

(*^○^*) プハー

三好「おかしい……何かがおかしい……」

653: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)21:59:20 ID:GUH
 
─── 2週間後 

三好「い、いよいよ博打の日ですね…!」

(*"○"*) zzZZZ

三好「ポイジさん!? ねえ、ポイジさん!?」 ユサユサ

(*^○^*)「ふあ? ごはん?」

三好「ごはんじゃないですよ! ポイジさん、今日は博打の日なんですよ!」

三好「今日は勝負するんじゃないんですか!?」

(*^○^*)「でも僕お金無いし」

三好「あっ…それもそうか……普段自由に飲み食いしてるから気付かなかった……」

三好「い、いやっ、でも、それならどうやって外出券手に入れる気ですか!」

三好「まさか、貯めるって言うんじゃないでしょうね! 断言しますけど無理ですよ! ポイジさんには!」

三好「ポイジさんが50万ペリカも稼ぐためには、チンチロで勝つしか…」

(*^○^*)「さて、と」 ノソ…

三好「ポイジさん?」

(*^○^*)「人集めてくるんだ」

三好「人?」

(*^○^*)「ヨンゴー組の皆なんだ」


(*^○^*)「やあやあ、集まってもらってどうもなんだ」

前田「おいおい、一体何の用だよ…」 ゴシ…

ヨンゴA「ワシ、もう寝たいんじゃけど…」

ヨンゴB「……」

ヨンゴC「キョロキョロ」

三好「……」
 

660: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:17:03 ID:GUH
 
(*^○^*)「まあ、なんていうか、皆で班長を倒そうってことなんだ」

前田「は?」

三好「班長を……倒す……?」

(*^○^*)「そ。 チンチロで班長に勝って、いっぱいペリカもらうんだ」

前田「……はぁーっ」

前田「お前なぁ、寝言も大概にしろよ。 んなことできるならとっくにやってるっつーの」

前田「…」 シュボッ

前田「班長の強さ、知ってんだろ。 下手に勝負しかけたら、やられるのはコッチだ」

三好「そ、そうですよ! 班長は神懸かり的な強運の持ち主で……」

(*^○^*)「まあ、待って」

(*^○^*)「……」 チラ


班長「……」 ゴシ…


(*^○^*)「!」

(*^○^*)「次、班長が出す目を当てるんだ」

三好「えっ!?」

前田「な、何だと!」
 

661: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:17:31 ID:GUH
 
(*^○^*)「…四五六(シゴロ)……!」


班長「…」 パッ

 カランッ チンチロリンッ

 「うおっ」 「すげぇ」
  「マジかよ……」

班長「カカカッ……すまんな皆の衆……!」

班長「四五六……倍付けだっ……!」 パンパン


前田「っ……!」

三好「あ、当たった……!」

前田「ってことは、何か?……イカサマかっ!」 スクッ

(*^○^*)「待つんだ」

前田「な、何でだよ! 一発ブン殴らなきゃ気が済まね…」

(*^○^*)「今発散したってしょうがないんだ。 これはある種の切り札なんだ。 取っておくんだ」

前田「っ……」 ストン

三好「で、でもポイジさん…」

(*^○^*)「ん?」

三好「どうして、ポイジさんは班長が出す目が分かったんですか?」

三好「何かイカサマ……カラクリがあるんですよね?」

(*^○^*)「……」
 

662: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:18:17 ID:GUH
 
─── 帝愛地下施設 VIPルーム

黒崎「……」

 革張りのソファに腰かけ、グラスを傾けながらモニターを見つめる男。
 黒崎義裕……!
 帝愛のナンバー2……!

黒崎「……」 クイ…

 無論、かつてのナンバー2…右腕は、利根川だったが……
 ポイジとの戦いに敗れた利根川は、失脚……帝愛を追い出され、今は行方も知れぬ身……!

黒崎「…」 カラン…

黒崎「しかし、まさに天国と地獄だな……この部屋と、奴らのいる数メートル地下とは……!」

側近「はい…おっしゃる通りで…」

黒崎「…」 ジッ

側近「あの、つかぬことをお伺いしますが…」

黒崎「何だ」

側近「その……黒崎様は、2週に一度、土曜日になると、ここを訪れるようになりましたよね」

黒崎「……」

側近「良かったら、訳を聞かせていただけませんでしょうか」

側近「その、地下の連中が賭博を開く日と一致しているのは…偶然なのでしょうか」

黒崎「……」 カラン

黒崎「偶然なものか」

側近「……」
 

663: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:19:05 ID:GUH
 
黒崎「フフ……気になっておるのだよ。 この男が、動き出すような気がしてね…」

側近「この男?」

黒崎「…」 ピッ


(*^○^*)『うーん、どうしたものかなー言ったものかなー』

三好『もったいぶらず教えてくださいよー』


側近「ええと……こやつは入ったばかりの…ポイジとかいう…」

黒崎「あの利根川を勝負で下した男だ……幾分、興味はある」 シュボッ

側近「はあ……確かに、その噂は聞いたことがございますが……」

側近「お言葉を返すようですが、奴は今地下の強制労働施設に入れられた身…」

側近「いうなれば、野良犬以下の存在です。 なぜ、かようにお気になさるのかが…」

黒崎「……アップにできるか」

側近「は、はい」 ピッ ピッ


     (*^○^*)


黒崎「……ククク……なるほど、野良犬……野良犬か」

側近「?」

黒崎「だが、どうやらまだ抜けていない……牙は……!」

側近「っ……」
 

670: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:31:42 ID:GUH
 
黒崎「そして……」

側近「?」

黒崎「どうやら、正念場だ」 ククク……

側近「正念場?」


前田『な、なあ、教えてくれよ! 班長はどんなイカサマをしてるんだ?』

(*^○^*)『えー』

三好『わ、分かった! サイコロの中に鉄球を入れてるんですよ! パチンコ玉みたいな!』

前田『そんな誰でも思い付く方法取るかよ!』

三好『そ、それもそうか……イカサマとしちゃ定番ですもんね……ねえポイジさん!いい加減教えてくださいよ!』

(*^○^*)『……』 


黒崎「恐らく、負け組で徒党を組んで大槻班長を倒そうと計画しているんだろうが…」

黒崎「さてさて、ポイジ君はイカサマのタネを仲間に教えるのか、否か……ククク」

側近「それは……教えるのではないでしょうか」

黒崎「ほう? なぜそう思う?」

側近「だってその、イカサマのタネを教えなければ、仲間は納得せず、付いてこないでしょう」

側近「ポイジにとって、仲間が自分を信用して付いてくるかどうかは死活問題のはずです」

側近「なので、タネは教えるはずだと…」

黒崎「……まあ、普通はそう考えるだろうな…」

側近「普通……?
 

671: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:32:35 ID:GUH
 
黒崎「 もし、ポイジ君がお前と同じように…『こいつらは黙ってついて来てくれる人間じゃない』と思ったなら…タネを教えるだろう」

黒崎「だが、『きっと黙ってついて来てくれるはずだ』と相手を信用したなら…勝負まで秘めておくだろうな」

側近「信用……」

黒崎「ギャンブルとは……相手を疑う力の試し合いだ……より、相手を疑った方が勝つ…」

黒崎「だが、時として勝負は……ククク……相手を信じる力が試されることもある」

側近「信じる、力…」

黒崎「これはあくまで私の見解だが……大槻班長を倒すカギ……それは、仲間をどれだけ信頼できるかに掛かっているだろうねぇ」

側近「仲間を信頼…」
 
黒崎「さて……ポイジくん…君は…」

黒崎「仲間を……信じるかね、信じないかね」


(*^○^*)『……』

(*^○^*)『分かったんだ…教えるんだ』

(*^○^*)『あれは、4と5と6だけで構成されたサイコロを使ってるんだ』



no title




側近「……バラした……」

黒崎「……」 スパー

側近「ポイジは……仲間を……信頼できなかった……」

黒崎「……」 フゥーッ

 モクモク…モク…

黒崎「……」 ギュッ

黒崎「……残念だ」 ボソ
 

676: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:48:13 ID:GUH


前田「えっと……4と5と6だけで構成…?」

(*^○^*)「つまり、4の裏は4、5の裏は5、6の裏は6…というサイコロなんだ」

三好「た、確かにそれなら、一見するとイカサイ(イカサマサイ)だとは分からない!」

前田「そうか…回っているときも、薄暗い賭場では気付かないって寸法か!」

(*^○^*)「それに、必ず四五六が出るわけでもない。 時には負けてしまうこともあるんだ」

(*^○^*)「それが良い目くらましになってるんだ。 そのせいで今まで気付かれなかったんだ」

前田「あンの野郎っ……!」 ギリ…

三好「そ、それで……一体どういう作戦で行くんですか?」

(*^○^*)「再来週……僕が勝負に出るんだ。 その時、集合をかけたら皆で集まって欲しいんだ」

三好「皆で集まる……」

(*^○^*)「こっちの資金を結集して勝負するんだ。 そうすれば、相手は『この大勝負で自分の力を見せつけたい』と思うはずなんだ」

(*^○^*)「そこで班長はイカサイを使うはずなんだ! で、僕がその現場を押さえる! 絶対にイカサイを奪うんだ!」

(*^○^*)「そして、僕がイカサマを暴いたら、皆で『イカサマだ!イカサマだ!』って騒いでほしいんだ」

(*^○^*)「そうすれば、班長は全てを謝罪して僕たちにお金を渡さざるを得ないはずなんだ!」

三好「な、なるほど……!」

前田「ま、待てっ……!」

(*^○^*)「?」
 

677: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)22:49:01 ID:GUH
 
前田「ってことは……班長が絶対にイカサイを使わなくちゃいけないわけだろ? でなきゃ、この作戦はおしまいだ……!」

三好「そ、そうですね…」

(*^○^*)「だから……僕たちがイカサマに気付いていること……それは、絶対にバレちゃいけないんだ」

前田「っ…!」

三好「!」

ヨンゴーABC「っ!」

(*^○^*)「絶対……悟られないように……!」



黒崎「……今日は、彼らの作戦会議も終わりだな」

側近「はっ…」

黒崎「また、再来週来る」 ギシ…

側近「はっ。 お待ちしております!」 ペコ~

黒崎「…」 コツ、コツ、コツ

黒崎(ふむ……まあ、大槻が『ポイジ君たちがイカサマに気付いていること』に気付かなければ、ポイジ君たちに勝ち目はある……)

黒崎(ポイジ君、その可能性に賭けるか?)

黒崎(だが……)

黒崎(大槻は、そんな甘い男じゃあないぞ……?) ゴシ…
 

684: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:10:07 ID:GUH
 
─── 次の日

モブA「よーし今日こそ作業を終わらせるぞー」

(*^○^*)「ういー」

モブA「よし、それじゃあポイジは土をあそこに運んでくれ」

(*^○^*)「その前におしっこー」 タタタ

モブA「……」 プルプル…


(*^○^*)「えーとキョロキョロ」

モブB「…」 テクテク

(*^○^*)「あっ、Bくーん!」 タタタ

モブB「ん? 何だ?」

(*^○^*)「お金貸してー」

モブB「は!? な、何言ってんだよ! 俺は勝負に負けて、給料前借りの身で…」

(*^○^*)「ちょっとでいいんだ! 10倍にして返すんだ!」

モブB「う、胡散くさ! 信用できない!」

(*^○^*)「再来週のはんちょーとの勝負に使うんだ。 資金が欲しいんだ。 貸してーお願い」

モブB「再来週の勝負?」

(*^○^*)「うん。再来週の賭場で、はんちょーをボッコボコにするんだ。 なるべく大金で勝負したいんだ」

(*^○^*)「勿論、勝ったらその分上乗せして返すんだ。 そっちにも美味しい話なんだ」

(*^○^*)「ねえ、Bくんもはんちょーにボッコボコにされてお金巻き上げられたんだ? 仇を取るんだ!」

モブB「……」

モブB「ほらよ、少ないが」 パサッ

(*^○^*)「ありがとー」 タタタ
 

685: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:10:52 ID:GUH
 

 
モブC「はあ? 金貸せ?」

(*^○^*)「Cくん、はんちょーにお金巻き上げられたことない?」

モブC「……」

(*^○^*)「ね? 取り返すチャンスなんだ! お金貸してーねーおねがーい」


(*^○^*)「毎度ー」

(*^○^*)「ねえねえDくーん」

(*^○^*)「Eくーん」

(*^○^*)「(ry

 ・
 ・
 ・
 ・

(*^○^*)「いっぱいお金集めたんだ!」

三好「わ、凄い……こんなに……」

(*^○^*)「ふっふっふー、色んな人にお金借りたんだ。 これで大勝負できるんだ!」

三好「はあ、でも、わざわざこんなに借りる意味あるんですか?」

(*^○^*)「まーまー、お金はあるに越したことは無いんだ。 それに、お金だけが目的じゃないんだ」

三好「お金だけじゃない?」

(*^○^*)「まあ、エビングハウス先生が正しけりゃ上手く行くんだ」

三好「??」

(*^○^*)「それにしても……お金がいっぱい……」 ジー

(*^Q^*) ジュル…

三好「だ、駄目ですよ! これ使っちゃダメです! 貴重な資金なんですから!」
 

688: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:11:57 ID:GUH
 
(*^○^*)「ちょっとぐらい…」

三好「ダメですってば! もう! お金は僕と前田さんで管理しますから!」

(*^○^*)「ぶえー」

(*^○^*)「あ、そういえば、三好くんも班長に巻き上げられたことあるんだ?」

三好「うーん……無いですねぇ。 僕はまだ入ったばっかりですし、そんなに賭場も経験してないですから」

(*^○^*)「はえ^~。 じゃあそんな悪い思い出無いんだ?」

三好「そうですねぇ。 逆にビールおごってもらったことあるぐらい…」

(*^○^*)「それじゃあ恩があるんだ。 裏切る形になるけど大丈夫なんだ?」

三好「そんなの全然裏切りじゃないですよ! だって、班長はイカサマしてる悪人じゃないですか!」

(*^○^*)「……」

(*^○^*)「そうだ。 やっぱり絶対勝たなきゃいけないんだ。 これは正義の戦いなんだ!」

三好「そうですよ! 絶対、絶対勝ちましょう!」 グッ

(*^○^*) グッ
 

692: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:14:12 ID:rj4
ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus、1850年1月24日 - 1909年2月26日)は、ドイツの心理学者である。1898年からブレスラウ大学で心理学の教授を務めた。

フェヒナーの精神物理学から影響を受け、記憶の忘却の研究を行った。

あっ…

701: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:20:20 ID:GUH
 
 ポイジは手当たり次第に金を借りた……
 その度に、班長との勝負の為だと相手に告げて回った……
 当然、班長たちの耳に入ることとなる……!

沼川「ポイジたちが……何やら良からぬことを企んでいるとか…」

班長「ああ……そうらしいな」

石和「どうします? 奴らは色んな人間から金を借りて、大勝負に出るようです。 賭場はもう来週に迫っていますが…」

班長「ふむ……」

班長「まあ、奴らが如何に勝負を仕掛けてこようと……コイツで殺せばいい」 ジャラ…

石和「…」 ゴクリ

石和(確かに……四五六サイを使えば……まず負けは無い……! 最強のイカサイだ…!)

班長「しかし…ん~……」 ポリポリ

班長「どうにも、キナ臭い」 ジッ…

沼川「……ええ、奴ら、何かを仕掛けてくる気じゃ……」

石和「そんな、考え過ぎだろ」

班長「………」

班長「…揺さぶりを掛けてみる、か」
 

706: 名無しさん@おーぷん 2015/11/16(月)23:34:10 ID:GUH
 
─── 次の日

(*^○^*)「ふいー、慣れると冷水シャワーでもスッキリするんだ。 ごはんごはん~」

三好「今日のメニューは何でしょうねー」

前田「味噌汁に油揚げが入ってたら当たりなんだが…」

石和「おいっ、何だお前ら!」

(*^○^*)「ポイジなんだ!」

石和「そうじゃないっ…! お前ら、それでもシャワー浴びたのか!? 臭いぞ!! もういっぺん浴びて来い!」

三好「そんな……」 ブツブツ

前田「めんどくせぇな…」 ブツブツ

 ジャバー ジャバジャバ

前田「おい、浴びてきたぞ……」

前田「ん?」

三好「あ、あれ?」

前田「お、俺たちの飯が無いっ…!」

三好「どうして……」

石和「ああ、お前たちは指定時間内に着席しなかった…… そういう者には食事は提供できない決まりだ」

三好「なっ…!?」

石和「団体生活だからな。 諦めてくれ」

前田「てめ…っ……」 ガタッ

三好「ま、前田さんっ!」 ガシッ

前田「ぐ、ぬ……」

三好「でも……ごはんが貰えないと……お腹すいた……」 シュン

:(ヽ*゙○゙*):

三好「そんなに!?」
 

713: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:03:22 ID:Tkk
 
班長「おいおい、どうした。 何かあったのか」

石和「あ、班長…いえ、こいつらが時間に遅れてきまして……」

班長「なるほど…… それはいかんともしがたいな…規則だからな…」 ウーム

班長「そうだ、こういうのはどうだろう。 ワシらの食事を分けるというのは」

 班長たちのテーブルの上には、他の者の貧相な食事と違って豪勢な食事が並んでいた。
 ステーキ…サラダ…ビール……!

石和「俺たちの食事、ですか」

班長「ああ、これはワシらが金で買っている食事……帝愛の縛りの外だ」

班長「だから、ワシらがポイジ君たちに分け与える分には問題無かろう?」

石和「そうですね……」


モブA「……上手いな、班長」 ヒソヒソ

モブB「ああ…ああやって贅沢させて、向こうの団結に揺さぶりを掛ける気だ」 ヒソヒソ

モブC「あの班長、そういう人心掌握は天才的だからな……!」

モブD「タイミングとか、やり口とか、とにかく上手いんだよな」 ヒソヒソ

 

714: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:04:04 ID:Tkk
 

班長「さあ、さあ……君たち、こっちへ来て座りなさい」

班長「ビールでも飲みながら、お互いの矛を収めようじゃないか…!」 トク、トクトク…

三好「っ……」 ゴクッ…

前田「お、俺はいらねぇ!! 食わねェぞ! そんな、見え見えのエサ…」

(* ○ *)「……」

三好「ポイジさん?」

(*@Q@*)「食べていいんだ!?」

班長「え? あ、ああ……」

(*^○^*)「わーい! ステーキ! お肉! ビール!」 ガツガツムシャムシャバクバク

三好「え……ポイジさん……?」

前田「はぁ……なんか、力が抜けちまうよ……」 ポリポリ

(*^○^*)「ほら! ビール! おかわり!」 ドン!

班長「え? あ、ああ…… あれ?」 トクトクトク…

(*^○^*) ガツガツムシャムシャバクバクモグモグむっちゃむっちゃモシャモシャパクパク

(*^○^*) ゴキュゴキュゴキュゴクゴクゴク

(*^○^*) ぷは
 

715: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:04:32 ID:Tkk
 
(*^○^*)「あっ」

(*^○^*)「シャワーの嫌がらせの分忘れてたんだ」 ヌギヌギ

三好「ポイジさん!?」

前田「な、何で下を脱いでるんだ!?」

(*^○^*)「えいっ! ポイジスプラッシュ!!」 ジョババババ!

班長「わぷっ!!?!」 バシャッ!

 ジョボボ バシャバシャ バチャジョボボボンジョビジョボボ

石和「こ、こいつ!! 何を……!」

 突如、小便を班長の顔面にブッかけたポイジ!
 班長はもんどりをうって倒れた!

班長「ぎゃっ!? ペッ、ペッ!?」

(*^○^*)「……」 チョロッ

(*^○^*) ブルッ

(*^○^*)「シャワーの嫌がらせしたお返しなんだ! ばーかばーか」
 
班長「~~~~~ っ」

 ズズズズ……ゴゴゴゴゴ……

三好「ひっ……」

石和「お前らっ……!」

沼川「くっ……囲めっ!」

  ざっ…!

 班長の息のかかった人間……他班も含め、総勢18人が立つ……!

前田「くっ……」

三好「や、やばい……!」
 

725: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:09:23 ID:Tkk
 
石和「さあ、班長……気の済むまで制裁を……!」

班長「……」

班長「~~~~~ っ」

 悩む……! 葛藤……! 大槻班長……!


班長「何を言うか……制裁なぞとんでもない」

石和「は……?」

班長「……」 ニコニコ

班長「ふふふ……ここは食堂……公共の場……監視カメラで本部にも見られている」

班長「そんな場所で暴力沙汰なぞ起こせるわけがないだろう」 ニコニコ

石和「はっ…」

班長「恐らく……ポイジくんは空腹の余り、一時的に精神が混乱しておるのだ」

班長「でなければ、こんな大それたことを出来る訳がない。 そうだろう?」 ニコニコ

(*^○^*)「いや素だけど」

三好「ポイジさんンン!!!!」

班長「だから……許してやろうじゃないか…… 寛容な精神で……!」

前田「……」

前田(顔に小便かけられて許す班長って……すげェ……!)

 割と皆、本気で班長を尊敬した。

 しかしその後、班長による怒涛の嫌がらせが始まった……!


三好「うう……キツい現場に回された……」

前田「残業が増えた…… 勝負まで数日だからって、急ピッチで嫌がらせしてやがる…」

(*^○^*)「おしっこー」 タタタ

モブA「逃げるな!!!」
 

730: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:24:35 ID:Tkk
 
─── キッチン

(*゙○゙*)「ぶえー、生ゴミの処理なんてやってらんないんだ」

三好「ポイジさん、あと数日です。 がんばりましょう」 ガサゴソ

(*^○^*)「分別なんてテキトーでいいんだ。ちょっとぐらいサボったって分かりゃしないんだ」

三好「でも、やっぱりやったことは事実として残りますから…」 ガサゴソ

(*^○^*)「事実なんかどうだっていいんだ、事実っぽく見えさえすればそれでいいんだ」

三好「そんな……」

(*^○^*)「誰も真実なんか気にしちゃいないんだ。真実っぽく見えりゃそれを信じるんだ」

三好「でもやっぱり、バレたら班長に怒られて怖いですよ…ちゃんと分別しないと…」 ガサゴソ

(*^○^*)「ぶえー、飽きたんだ。 ぼくちょっとあっち行って来るんだ」 タタタ

三好「あっ、ポイジさん! もう……しょうがないなぁ」



三好「ふう……終わった… 一人で終わらせた…」 グッタリ

三好「あれ、そういやポイジさんどこ行ったんだろう」 キョロキョロ

三好「あっちに行くとか言ってたような…」 テクテク
 

731: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:25:17 ID:Tkk
 
 カチャカチャ

三好「? 倉庫から音が聞こえる…」


(*^○^*)「…」 カチャカチャ

三好「あれ……何やってるんだろう……」

(*^○^*)「…」 カチャカチャ

三好「あれは……班長たちの食事を運ぶ台車だ…!」

(*^○^*)「…」 ガチャガチャ

三好「ドライバーで車輪をイジってる…? 何してるんだろう…」

(*^○^*)「…」 カチャカチャ ガチ

三好「まあいいや……もうほっとこ……」 テクテク


班長「沼川! 食事はまだか!」

沼川「そ、それが……台車の車輪が一個動かなくなってて…運べないんです」

班長「何っ!?」

三好「………」

三好(地味な嫌がらせしてるゥー!) ガビーン
 
(*^○^*)「~♪」 パクパクモグモグ
 

740: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:37:38 ID:Tkk
 
───
 
  今日は賭博日……! 決戦の日……!

 ざわ・・・ ざわ・・・

  そして、ある噂が駆け巡っていた……1

  ざわ・・・ ざわ・・・


   噛み付くであろう…と……!

 
 ついに実現するっ……! 

    班長組 VS ポイジ組 っ……!




黒崎「……」 カラン…

黒崎「さて……見せてもらおうか……」

黒崎「ポイジくん、君の戦いを…」




班長「……」

石和「……」

沼川「……」


(*^○^*) どーん


 両者、邂逅……!
 
 ポイジの後ろには、既にヨンゴー組がスタンバイ……!

三好「……」

前田「……」

ヨンゴーABC「……」

759: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)00:52:38 ID:Tkk
 
 まさに勝負の火蓋が切って落とされんとした、その時……!


 「何なに!? もう始まってんの!?」
  「まだだ! まだ始まってないぞ!」 「良かった~!」
 「これは見逃せねぇよなぁ!」 「おい! 詰めろよ!」


前田「!? 何だぁ!?」

三好「ひ、人がいっぱい!」

 噂を聞き付け、娯楽に飢えた大衆が押し寄せる!
 
 ざわ・・・ ざわ・・・
   どよっ どよっ

 大挙っ……! ポイジたちを十重二十重に取り囲む……!

 
(*^○^*)「……」

班長「…やれやれ……こうも注目されるとはな。 ポイジくん、君も一躍時の人、というわけだ」

(*^○^*)「……」

(*^○^*)「もう一度、確認したいんんだ」

班長「ほう?」

(*^○^*)「今日は大勝負の日。 青天井ルールで受けてもらあうんだ」

(*^○^*)「そして、今日は班長……最初、貴方に親をやってtもらうんだ」

(*^○^*)「だって!! 僕が倒したいんのは!! 廻りの腰巾着じゃなく!! 暴利を貪るタヌキ…」

(*^○^*)「アンタなんだ!!」

班長「っ……」

 「うおおおっ!」「いいぞっ!」「宣戦布告だっ!」
  「盛り上がってきたな……!」 「どう出る!?」
 

766: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:02:23 ID:Tkk
 
班長「……」

班長(どうする…… 受ければ、間違いなく勝つ……勝つ勝負……!)

班長(落ちている金を拾うような勝負……!)

班長(しかし、奴らの狙いと武器は一体……)

班長(まさか……気付いているのか……? イカサマに……!)

(*^○^*)「何だなんだなんんだ。 怖気づいてるんだ?」

(*^○^*)「散々今まで博打がどーたら痛い発言してたクセに、雲行きが怪しくなったら急に尻尾撒いて逃げるんだ?」

班長「っ……」

(*^○^*)「そんなあんだから顔面に小便かけられるんだ。 そんなんじゃハンチョーじゃなくてベンジョーなんだ」

(*^○^*)「大槻班長じゃなくてホラ吹きベンジョーなんだ、バーカバーカ」

班長「っ…っ…っ~~~~っ……」 プル…プル…



班長(  殺 し た い っ …… !! ) ググ…


班長(今すぐコイツをブチ殺したいっ……!) ブル…ブル…

班長(この……このイカサイ…四五六サイでブチ殺したいっ……) ググ…

班長(いやしかし、奴がこのイカサマに気付いている可能性もある…! それなら、使うのは危険…! 余りにも危険……!)

班長(もしもイカサマがバレたら……恐らく…弁済…これまでの勝負の勝ちを……全て弁済しなくてはならなくなるっ……!) ゾクッ

班長(それだけは……それだけは避けなければならん……!) ギリ…

班長(しかし…しかし……! こいつが憎らし過ぎるっ……!)

(*^○^*) どーん

班長(勝負を逃げたと噂が立つのも癪だが……それ以上に…こいつを潰したい……!) ググ…
 

774: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:06:39 ID:Tkk
 
班長(そうだ……ワシのイカサイは完璧だ……バレる訳がないっ……バレる訳が……) スッ

班長(コイツで……完膚無きまでに……) ニヤ…

 グッ

班長「っ…」

沼川「班長っ……」 ヒソ…

班長「沼川……」

沼川「……」 フルフル

沼川「危険です……!」 ヒソ…

班長「っ……」

沼川「……確認しましょう」

班長「確認?」

沼川「ここは、本当の負けを見誤っちゃダメです……賭けに負けることは、本当の負けじゃありません…」 ヒソ

班長「賭けの負けは、負けじゃない……?」

沼川「はい。 本当の負けは、イカサマを暴かれることです……!」

沼川「それに比べたら、賭けに負けることなぞ…むしろ勝ち! ポイジたちの負けです!」

班長「……確かに……」 ゴシ…
 
沼川「どうか、早まらないでください……」 ヒソ…

班長(確かにそうだな……)

班長(確認だ、まずは……確認……! 勝負には負けても良い! それよりも…)

班長(イカサマに気付いているかどうかの確認っ……!) ギラ

班長「……分かったっ……勝負を受けようっ……!」

(*^○^*)「!」

三好「!」

 「うおおおおおっ!」「さすが大槻班長っ!!」 「やった!!」
  「いいぞーっ!!」 「班長! 班長! 班長!」
 

781: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:19:24 ID:Tkk
 
班長「それで……いくら賭けるんだ? ポイジっ……」

(*^○^*)「……かき集めたお金……全部なんnだっ!」

   バサッ!バサッ!
     ドサッ

   50万7千ペリカ……!!

班長「!」

 「ご、50万!?」 「50万ペリカの勝負だっ!」
  「大勝負だ!」  「これは伝説になるぞ……!」


班長「では……ワシからだ……」 ジャラ…ジャラ…

(*^○^*)「……」

三好「……」 ゴク…

前田「……」 ゴク…


班長(最初はイカサイは使わぬ……! 通常サイで勝負っ……!) ジャラジャラジャラジャラ

班長(そして……奴らの反応を見る……!) ギンッ

沼川(そうです……班長…… もし、奴らがイカサマに気付いているなら…我々がそれを察してしまえば、それでこっちの勝ちです…!)

班長「かぁッ!!」 バッ

 カランッ カランッ カランッ!

三好「…」 ピクッ

班長「っ……!」

班長(こいつ……今ピクリと……動いた……?)

班長(イカサイなら、すぐ確保しようと……準備している……?) タラ…


三好(もし、ポイジさんがイカサイを拾えなかったら……)

三好(僕が確保しなきゃ……!)

 図星っ……!  

783: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:30:37 ID:Tkk
 
班長「……」 ジッ…

 カラン…カラン…
  チンチロリン…


 「目は!?」 「目はどうなったんだ!?」
  「見せろ見せろっ!」 「押すなっ!」
   「目は……」


  1 - 2 - 4

    目無しっ……! だが、それ以上に……!


三好「なっ……!?」

前田「っ……!?」 ガタッ

ヨンゴーABC「っ!?」

三好(1や2が出てるってことは……)

三好(イカサイじゃないぞっ……!?)

 広がる動揺っ……!

 破綻する作戦……!

前田(ど、どうする……!?)

 暗雲が立ち込める……!!

三好「あ、あぁ…あぁああぁ……」

前田「ぐっ……うぅぅぅ……」

班長(……確信した……  こいつらは……イカサマを知っている……!) ギン!

班長(これは…勝負に負けても、絶対にイカサイを出してはいけないということ……!) カッ
 

788: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:42:13 ID:Tkk
 
沼川(……ふぅ……危ない危ない……) ゴシ…

沼川(もし、イカサイを使っていたらトンでもないことに……) タラ…

(*^○^*)「…」 スッ

三好「え……?」

前田「待て、ポイジ、それは…」

班長「な……?」

(*^○^*)「…」 ガシッ

 ポイジ、サイコロを拾う……しかし、それは……

三好(それは…普通のサイコロです……! 拾っても意味が……!)

(*^○^*) あーん

(*^○^*) ポイッ

  サイコロを…口の中に放り込むっ……!

(*^~^*) ボリボリバリボリバリボリ

三好「!!?」

前田「っ!?!!」
 

791: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:42:48 ID:Tkk
 
(*^◇^*) ペッ

 ボチャッ ゴトッ

 吐き出した残骸……! その中には……!

  コロ… コロ…

 鉄球……! 小さい鉄の玉が3つ……!


班長「な゙っ!!?!」

三好「えっ……」

前田「は……?」


(*^○^*)「……」 ス~~~~~ッ


(*゚○゚*)「イイィィィィカサァァマだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 ビリビリビリビリッ


三好「……はっ!」

~~~~~

(*^○^*)「そして、僕がイカサマを暴いたら、皆で『イカサマだ!イカサマだ!』って騒いでほしいんだ」

~~~~~

三好「イ……」

三好「イカサマだぁー!」

前田「イ、イカサマだっ!」

ヨンゴーABC「イ…イカサマだ…!」


 ざわ・・・ ざわ・・・

  「お、おい…イカサマだと?」 「あのサイコロ……イカサイか!」
 「鉄球が入ってたぞ!」 「班長め……あのサイコロで……!」


班長「ま、ま、待て!!待ってくれ!!」
 

800: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:48:01 ID:Tkk
 
(*^○^*)「ヒドいんだ!! 許せないんだ!!」

(*^○^*)「人が真剣勝負しようとしてるのに!!! こんなモノで勝負しようなんて!!」

(*^○^*)「きっと今までの勝負もインチキしてきたんだ!!」

(*^○^*)「外道!! 鬼!! 悪魔!! 人でなし!!」

班長「ち、違……ワ、ワシ、は……」 ブル…ブル…

班長(こいつ……こいつ……っ!!)

班長(ハナっから……ハナっから、賭け勝負も……四五六サイも……眼中に無かった……!)

班長(こいつ……最初から……)

班長(ワシに冤罪をっ……!!) ゾ ク ッ


(*^○^*)「これは許せないんだ! 正義の味方として許しちゃおけないんだ!」 ワーワー

三好(ポ、ポイジさん……ずっと口の中に鉄球を入れてて…… それで、サイコロを砕いて、一緒に吐き出したんだ!)

三好(で、でも……あの鉄の玉……どこで……)


~~~~

(*^○^*)「…」 カチャカチャ…

~~~~


三好「!!!」

三好(そ、そうだ! 台車の車輪!! あれを分解して、ベアリングの玉を取り出したんだ!)

三好(ただの嫌がらせじゃなく……この為に……!)
 

804: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:49:21 ID:p3H
ああ、それでずっとポイジの滑舌悪かったのか
イッチが眠いのかと

809: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:52:59 ID:v5q
>>804
それでセリフにtとかnとかノイズまじってたんかwwww
すげーわ、掲示板でよくあるミスという盲点を突いた伏線ッ…!!

810: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)01:53:23 ID:uvT
>>804
確かに滑舌悪くなってるやんけ…タイプミスだと勘違いしたわ

825: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)02:17:20 ID:Tkk
 
(*^○^*)「ねー皆!! 僕は皆から借りたお金で勝負しようとしたんだ!」

(*^○^*)「でも、班長はイカサマでそれを巻き上げようとしたんだ!」

(*^○^*)「ねー!?  班長は 皆 の お 金 を イカサマで巻き上げようとしたんだ!」

 「何だと…!?」 「そういえば…俺、ポイジに貸したんだ!」
  「俺も……」 「班長め……」 「これは、ポイジたちだけの問題じゃないぞ! 俺たちの問題だ!」
 「俺の金を…!」  「大槻め! よくも俺の金をっ……!」
 
班長「っ……!?」

班長(違うっ……! よく考えろ! これはワシとポイジ達の問題だろう! お前たちの問題じゃない……!)

  「俺の金……」 「俺の金を……」
      「よくも……」

班長(ポイジめ……大衆に……"当事者意識"を植え付けおったな……!) ギリ…

班長(ま、まずは……誤解を解かねば……!)

班長「み、皆の衆……! 聞いてくれ……! ワシは……」

(*^○^*)「!」

(*^○^*)「あ~~! これは大変なことやと思うよ。 今まで負けた人たちにもお金が返ってくるかもしれないんだ!」


 「…!」 「……!!」 
   「っ…!」


班長「み、皆……」


  「おいィ─── っ! どういうことだよこれェ!」 「イカサマなんてしやがってよォ!!」
   「責任取れよ!!」 「大槻ィ!! 分かってんだろうなぁ!!」

 飛ぶ怒号! 乱れ飛ぶ空き缶!

   ガンッ カーンッ

班長「ひッ……ひィ……」
 

831: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)02:24:07 ID:Tkk
 
班長(理……理が通じないっ……!)

班長(ポイジの奴……奴らに"エサ"をブラ下げたっ……!)

班長(そうなれば…もう……もう"理"は通じないっ…… 奴らは…もう……)

 「金……」 「金が戻ってくる……」 
  「そういやあいつに巻き上げられたんだ……!」 「負けた分を……!」
 「取り返せるっ……!」

班長(金の亡者っ……! 理を捻じ曲げてもワシの糾弾してくるっ……) ゾク…

 「先月…」 「取られ…」 「負け…」
  「俺も…」 「2万…」

───

黒崎「ふむ……」 カラン…

黒崎「妙だな。 皆が、大槻に賭けで負けた時の記憶を思い出しているが……全員が逡巡も無くスムーズに口にしている」

黒崎「のう。 ポイジ君は…事前に彼らに何か働きかけていたか?」

側近「はっ……ええと…特に働きかけ、とは思いませんでしたが…」

黒崎「話せ」

側近「その……ポイジは借金して回る時に、いちいち大槻に負けた時のエピソードを聞いていましたが……それが何か?」

黒崎「……ふむ、なるほど、合点が行った。 『記憶の強化』だ」

側近「は……?」

黒崎「人は、一度忘れた物事を『思い出す』ことで、強力に記憶を固定化してしまうのだよ。 忘却曲線が緩やかになり、な…」

側近「はあ……」

黒崎「しかし……これでは、ポイジ君に旨味があるとも思えん展開だ……」 カランッ

黒崎「さあ……どう出る?」
 

845: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)02:35:43 ID:Tkk
 
班長(避けねばならん……遡っての弁済だけは……遡っての弁済だけはァァ!!)

(*^○^*)「これはもう、遡っての弁済しかないんだ」

班長「~~~~っ…」 グ…ググ…

班長(こいつはっ……  人が嫌がることをっ……ピンポイントで突いてくるっ……!) ググギギグ…

(*^○^*)「ねえ! ここにいる皆もそう思うんだ!?」

 「そうだー!!」 「いいぞー!」
  「そうだそうだ!」 「いいぞポイジ!」

(*^○^*)「ほら!! これが地下の全員の総意なんだ!!」

班長「ぐ……ぐ……っ!」 ワナ…ワナ…

(*^○^*)「さあ! このままゴネたら帝愛全体に迷惑かけるんだ! いい加減腹を括るんだ!」

班長「あ……ぁあぁぁあ……」 ボロ…ボロ…

───

黒崎「ふむ、上手いな」

側近「と、言いますと……」

黒崎「ポイジ君は、主語の膨らませ方が上手い、と言ったんだ」

黒崎「最初は、『ここにいる皆』。 次のセリフでは、いつの間にか主語は『地下の全員』になっていた」

黒崎「最後は『帝愛全体』だ。 いつの間にか、気付かないうちに大槻は帝愛と戦わされている」

側近「……」

黒崎「気付いた時には遅い。 奴はもう……」



班長「……」 ボタ…ボタ…

(*^○^*)「ね、皆にお金払わなくちゃね、金庫のとこまで連れてってくれる? ねえ」



黒崎「心を折られている」
 

858: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)02:48:35 ID:Tkk
 
 ヒタ… ヒタ…


  ヒタ… 

     ヒタ…


班長「……」


 ヒタ…

   ヒタ…
         ヒタ…



(*^○^*)「ねーどこまで歩くんだー? どこ? もうすぐ?」 トテテテテテテ
 



 ヒタ… ヒタ…
  
   トテテテテー

 ヒタ…  トテテテテー

 


班長「……」 ガシャ…

(*^○^*)「おおー、これなんだ?」

 パカッ

(*^○^*)「わーい、お札がギッシリなんだ。 二千万弱はあるかな?」

班長「……」

(*^○^*)「ねえ」

班長「……?」

(*^○^*)「助けてあげよっか?」

班長「っ!」 ガタッ 

870: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:05:21 ID:Tkk
 
───

 ガチャ…

 「おっ、戻ってきたぞ」「金庫はあったのかな」
  「いくら持ってんのかな」

 ざわ・・・ ざわ・・・



(*^○^*)「お待たせーなんだー」

班長「……」


三好「あっ、ポイジさん! 金庫は! 金庫はどうでした!?」

(*^○^*)「金庫あったよー お金もたっぷりだったんだ!」

三好「おお!」

前田「やった!」

三好「そ、それで……金庫は?」

(*^○^*)「え? 持って来てないんだ」

三好「え……?」

(*^○^*)「必要ないから」

三好「え……」

前田「え…?」
 

871: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:05:32 ID:Tkk
 
(*^○^*)「あーあー、皆さん、重大なお知らせがありますなんだ」

 「なんだなんだ」 「一体…?」
  「金はどうなったんだ?」

 ざわ・・・ ざわ・・・


(*^○^*)「班長はイカサマをしてなかったんだ」

三好「っ!?」

前田「!!?」

 「っ!?」 「何っ!?」 「い、一体何言ってんだ!?」
  ざわ・・・ ざわ・・・

(*^○^*)「あの鉄球はね、歯の詰め物が取れただけだったんだ。 3個ほど奥歯に埋め込んでたの忘れてたんだ。ゴメンチ」

三好「な、何言ってるんですかポイジさん!!?」

前田「あんな詰め物あるわけないだろ!!?」
 

873: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:06:49 ID:Tkk
 
(*^○^*)「だからね、あれイカサマじゃなかったんだ。 早とちりしちゃったんだ。 ね、班長?」

班長「……」 コクコク

三好「!!? ポイジさん!? 嘘でしょ!?」

(*^○^*)「あ、それと、班長から人事発表があるんだ」

班長「……えー…本日より、ポイジくんは…班長補佐をすることになった……」

三好「班長補佐!?」

前田「ま、待て!! そんな役職聞いたことないぞ!! 何をやるんだよ!!」

班長「ええと…… 仕入れの管理と…売り上げの管理と…班の運営への介入……だ、そうだ……」

三好「……………」

三好(裏切った──── ッ!!) ズゴーン

前田「は、班長側に寝返ったってことかよ!」

(*;Q;*)「グスッ……僕は人の上に立つ人間じゃないけど…命令だから…グスッ…がんばります」

前田「舌出てんぞコラァ!!!」
 
班長「ちなみに……グッ……事前給料として……千五百万ペリカを支払……うぅぅうぐぅっ…」 ブワッ ボタ…ボタ…

三好(なぜか班長に同情してしまう…)
 

885: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:28:04 ID:Tkk
 
班長「うぅぅっ、ぐ……うぅぅううっ……」 ボロ…ボロ…

~~~~~

(*^○^*)「助けてあげるんだ。 僕が『あれはイカサマではなかった』と嘘の証言をすれば、貴方の罪は不問になるんだ」

班長「ま、待て…そもそも冤罪だから…嘘の証言も何も真実…」
  _, ,_  
(*^○^*)「あァん?」

班長「何でもないです」

(*^○^*)「ね、だから、お金と地位をちょーだい。 ね、一文無しになって班員からリンチされて地下で一生イジメ抜かれて暮らすのとどっちがイイ? ねえ」

班長「………ぐっ……ぐううぅぅっ……」 ガク…

班長(選択肢なんか……無いっ…… 全て……こいつの…こいつの筋書き通り…動くしかないっ……) ボロ…ボロ…

~~~~~

班長「……」

(*^○^*)「まあそんなこんなでこれから宜しくお願いします」

 「そ、そんな……」 「な、なあ? 急にイカサマじゃないとか言われても…」
  「でも、証拠も無いし…」 「金、帰ってくると思ったのに……」


三好「ッッ!!」

 その時、三好に電流走る──!!

三好「ま、待ったッ!!」

(*^○^*)「!」

班長「!?」

前田「!?」

三好「証拠なら……あるっ!!」
 

886: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:28:40 ID:Tkk
 
前田「何だとっ!?」

班長「証拠……?」

 「証拠……?」 「証拠って、イカサマの証拠か?」


三好「ちょ、ちょっと待ってて……!」 ゴソゴソ…

 ヨンゴー組の共同スペースを漁る三好……!

三好「これだ! この手帳!!」 バッ!

(*^○^*)「!」

三好「僕は……ずっと、賭場の出目をメモしてきたんです……!」

三好「記録ってのは冷静で客観的……露なもの……!」

三好「これを見れば、班長のイカサマは明らか……」 パラッ

三好「……」

前田「お、おい! どうした!? 見せろ!」

前田「ああぁっ……!?」

前田「き……」


前田「消えているっ……! 班長の……記録だけ……綺麗に……消されている……」

前田「お、おい……これ……!」

三好「……」 

三好「思い……出した……」 ボソ

前田「え……?」
 

888: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)03:29:00 ID:Tkk
 
三好「ずっと……ずっと違和感があったんです……」

三好「何で…あの時……」

~~~~~

三好「すみません、鉛筆で走り書きなんで、見辛いですけど…」

(*^○^*)「ううん、十分十分…というより…」

三好「へ?」

(*^○^*)「……」 ジッ

~~~~~


三好「…『というより』って言葉……その……不自然さ……」

三好「…『というより、何』……だったのか……何という言葉を飲み込んだのか……今なら、分かる……」

  「すみません、鉛筆で走り書きなんで、見辛いですけど…」

          「ううん、十分十分…というより…  好都合 」


三好「……あの時から……ポイジさんには…全部……」

三好「全部、見えていたんだ…… この絵が……!」 ボロ…ボロ…

三好「僕は……僕は……見えた…見えていた、はずなのに……」

三好「見ようとしなかった……」

~~~~~

三好「ポイジさん、ですね。 よろしく」

三好(ニコニコしてていい人そうだな……)

~~~~~

三好「自分に都合の良い理想を信じたくて……都合の悪い現実を見たくなくて……」

三好「真実を、見ようとしなかったんだっ……!」 ボロ…ボロ…
 

7: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)23:42:05 ID:5fx
 
前田「三好……」 ポン…

三好「…っ……っ…」 ボロ…ボロ…

前田「泣くなよっ……俺もっ…俺も辛ぇよっ…」 ポロ…

前田「ポイジの野郎に…裏切られて……野郎、てめぇの地位の為に、班長側に付きやがってっ……」 ボロ…ボロ…

三好「…っ…」 ゴシ…

三好「違う……違うんだっ…」 ゴシゴシ

前田「違う…?」

三好「確かに……ポイジさんは僕たちを裏切って、班長側に付いた……!」

三好「確かに、そっちの方が、地位もお金も保障される…! それは確実っ……」

前田「だろ? ポイジの奴、金に目がくらんで…」

三好「いや、もっと大事な理由があるっ…」 ゴシ…

前田「大事な理由?」

三好「あれだよ… あの但し書き…」 スッ

 『1日外出券を用いれば外に出ることが出来る。 ただし、帝愛側が適正と判断した者のみ、外出を許可される。』

前田「1日外出券は…帝愛側が適正と認めなきゃ出ちゃいけないって奴か…」
 

12: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)23:43:22 ID:5fx

三好「そう……ポイジさんの目的は、金でも地位でも無い……最終目標は…外に出ること…!」

三好「でも、許可を得なきゃ外には出られないっ…… 大金を得るだけじゃ不十分っ……」

三好「もし、何か奇跡的なことが起きて許可されればそれでめでたしだけど……そんなこと、ポイジさんは期待しちゃいないんだ」

三好「ポイジさんは、ポジティブで……それでいて、どこまでもリアリストっ…」

三好「根拠のない期待は……ハナッから計算に入れちゃいないんだ……」

三好「だから、許可を得る手段は、自力で何とかしなきゃいけない…」

三好「そして、許可を貰う為には、班長の口添えがあった方が確実……! 班長側に付いた方が、許可を得やすいのは確実っ…!」

前田「っ……!」

三好「…だから……当然。 これはある種、当然の結果……!」

三好「外出許可を得る"確率"を上げる為……ただ、それだけで…僕たちを裏切る…十分な理由になるっ……」 ググ…

前田「……」

三好「最初から……分かっていたことなんだ……。 ポイジさんは、最初から僕たちにずっとヒントを与えていたんだよ…!」

三好「だけど……僕たちは……ちっとも気付かず… ただ、鵜呑みにして、信じたっ……」 グググ…

前田「三好……」 ポン

三好「前田さん……僕……悔しいよっ……」 ボロ…ボロ…

三好「自分が……自分が情けなくてっ…… 人から言われたことを…すぐに信じちゃう自分が情けなくてっ……」 ボロ…ボロ…

三好「悔しい……  くや、しいっ……」 ボロ…ボロ…

前田「……」 ヨシ…ヨシ…
 

16: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)23:46:36 ID:5fx
 
───

黒崎「……どれ、私はそろそろ戻る」 スクッ

側近「はっ、お帰りですか」

黒崎「ああ……どうやら、私の出番は無さそうだ」

側近「出番……?」

黒崎「フッ……」 チラ


  (*^○^*)


黒崎「どうやら、奴は私の助けなぞ要らないらしい」

側近「……?」

黒崎「やれやれ……私の早とちり…お節介だったようだな」 スクッ

側近「あ、黒崎様…」

黒崎「……」 コツ、コツ、コツ、コツ

 くるっ

黒崎「……」 ジッ

───

(*^○^*)「ん?」

カメラ「ジー」

(*^○^*)「ねーねー、あのカメラ何でこっち向いてるんだ?」

班長「え……そりゃあ、帝愛の監視係が、こっちを見とるんじゃろう……トホホ、こんな場面、見られとうなかった…」

(*^○^*)「…」 ジー

カメラ「ジー」

(*゚Q。*)「べろべろばー」

班長「ば、馬鹿っ! 怒られたらどうするっ!」

(*^○^*) キャハハハハー

20: 名無しさん@おーぷん 2015/11/17(火)23:48:29 ID:5fx
 
───

 『キャハハハ』
  『怒られるのはワシなんだぞ!』
  

黒崎「………」

黒崎「クククククっ……」

側近「黒崎様……?」

黒崎「ポイジ……ポイジか……!」

 コツ、コツ、コツ、コツ

黒崎(まだまだ……未熟ではあるが……) コツ、コツ、コツ、コツ

黒崎(奴なら……届き得るか……!)

黒崎(会長の喉元にっ……!)

 コツ コツ

   コツ コツ …

───
 


ポイジシリーズリンク



引用元: ・http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1447771232/

引用元: ・http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1442714544/



1000: 名無しさん@お絵かきニキ